小学校高学年になると、宿題は「量」よりも「着手」が難しくなります。
ただやる気がないのではなく、脳の実行機能(EF)が未発達なため “最初の一歩”を踏み出せない 子が圧倒的に多いのです。
だからこそ、親の声かけは
「やった?」ではなく、“スタートに必要な手がかり”を提示する
ことがガチのポイントになります。
1. 子どもが宿題に取りかかれない“3つの科学的理由”
宿題に向かえない背景には、すべて根拠があります。
■① 実行機能(EF)が弱く「着手」が難しい
目標達成のために「思考・行動・感情」をコントロールする脳の司令塔(航空管制官のような働き)で、計画を立て、状況に応じて柔軟に切り替え、衝動を抑え、情報を整理する力(抑制、ワーキングメモリ、柔軟性など)の総称です。これらがうまくいかないと、段取りが悪くなる、忘れっぽい、時間に間に合わないなどの困りごとにつながる。
簡単に言うと…
「頭の中の交通整理係」って感じです。目標に向かってスムーズに行動するために必要な思考力と見てください。
高学年でも、
- 何をするか
- どの順でやるか
- どれからやるか
これらを“自分で組み立てる”のは非常に負荷が高い行為。
→『宿題やった?』は“構造化されていない質問”で最も答えにくい。
■② 宿題と感情が結びつきやすい時期
宿題=義務、疲れ、面倒
これらのネガティブ感情が強く働くと回避行動が起きる。
→ ストレートな確認は反発を生みやすい。
■③ 「親に言われてやる」は、動機づけが続かない
外発的動機づけでは長続きしません。
必要なのは 「自分で決めた」と感じる状況づくり。
2. 宿題の声かけ成功パターン —教室で“効いた”ガチ言葉
以下は、10年以上の教員生活で子どもが“本当に動いた声かけ”を家庭用に落としたもの。
一言変えるだけで、子どもの脳が「動けるモード」に切り替わります。
成功パターン①:質問を“選択式”にする
×「宿題やったの?」
→ 子どもは責められていると感じて回避しやすい。
◯「今日はどの宿題から終わらせる?」
これは、着手の心理的ハードルを一気に下げる魔法の一言。
ポイント
- 内容は子どもに選ばせる(自主性が育つ)
- 質問が具体的(すぐ答えられる)
- “順番”という小さな決定だけで開始できる
脳科学的ポイント
選択を提示されると、前頭前野が“決定モード”に入り、行動の開始率が上がる。
成功パターン②:「10分だけ一緒にやる?」で着手を誘導
◯「10分だけ一緒にやる?」
これは、子どもにとって一番“動きやすい提案”。
なぜ効く?
- 行動の開始には“人の存在”が強い助けになる
- 時間を限定すると負担が減る
- 親が横にいるだけで安心感が高い
10分経てば「今日はもう終わり」でOK。
小さな成功体験だけ取れれば目的達成。
成功パターン③:行動を細分化して“次の行動”を明確化
◯「まず何を机に出せばスタートできそう?」
質問の角度を変えると、子どもは“行動”をイメージしやすくなります。
提案してもOK:
- 「ワークだけ出してみる?」
- 「筆箱だけ持っておいで」
物を出す=宿題のスタートに必要な前段階
このステップをサポートすると、着手率が跳ねる。
成功パターン④:宿題の“感情”をリセットする声かけ
宿題は「疲れ」「めんどくさい」といった感情と強く結びつく。
まず感情を整えれば動きやすくなります。
◯「今日は疲れてそうだね。5分だけにする?」
◯「今すぐじゃなくていいよ。◯時に一緒に始める?」
ポイント
- 感情の認知(これで子どもは安心する)
- 時間指定で“始める約束”が明確になる
- 予定が決まると頭がスッキリする
成功パターン⑤:終わった瞬間に「行動の承認」だけ伝える
宿題後の褒め方は、結果ではなく“行動の開始”に焦点を当てる。
◯「自分で始められたのがすごいね」
◯「5分で切り替えたの、完全にプロ!」
→ 行動の承認は、次の日も同じ行動を再現しやすくする。
3.宿題の声かけNGパターンと代替案

よくある声かけのうち、習慣化を妨げるものを解説。
■NG①「早くやりなさい」
→ 指示語は“何をどうすればいいか”が伝わらない。
代替:
◯「今日の宿題、どの順でやる?」
■NG②「まだやってないの?」
→ 責められ感が強く、反発を招く。
代替:
◯「始めやすい宿題ってどれ?」
■NG③「全部終わるまで遊べないよ」
→ 脅しは短期的には効くが、継続力はゼロ。
代替:
◯「10分だけ一緒にやってみよっか」
4. 子どもが“自然に動きたくなる家庭の空気づくり”
宿題の開始率を爆上げする家庭は、環境づくりが上手いです。
■①「まずは親が落ち着いている」
親の感情は子どもに伝染します。
親がイライラ → 子どもは回避
親が穏やか → 子どもは近づける
■② 宿題に入る前の“コーヒータイム方式”
宿題前に
- 水を飲む
- おやつを少し
- 今日の話を2分だけ
これで前頭前野が安定し、宿題への抵抗が減る。
■③「場所を固定する」
座る席が毎回違う子は集中しづらい。
座る席を固定=脳が“宿題モード”を学習する。
5. まとめ:宿題は“声かけの技術”がガチ大事!
宿題ができる子は、
天才でも、意志が強いわけでもない。
正しい声かけで
- 着手のハードルが下がり
- 行動が始まり
- 成功体験が積み重なり
- 習慣になる
その結果、親子関係のストレスも大幅に軽減します。
宿題は「確認」ではなく「サポート」。
声かけひとつで、子どもの日常は大きく変わりますよ!
①着手前(スイッチ入れる系)
②学習中(集中サポート系)
③終わった後(承認・ほめ方)
④疲れている日用
⑤タイプ別(男子/女子/低学年/高学年/他)
⑥数学・国語・英語など科目別
⑦朝・夜など時間帯別
で完全網羅しています。
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①【着手前】“スタートの一歩を作る声かけ”30個
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- 「今日はどの宿題からいく?」
- 「まず机に何を出せば始められそう?」
- 「10分だけ一緒にどう?」
- 「終わったら○○しようね。どれから片づける?」
- 「始めやすいのはどれ?」
- 「プリントとワーク、どっち先にやる?」
- 「今日は気が進まなそうだね。5分からどう?」
- 「とりあえず筆箱だけ持っておいで~」
- 「よし、椅子だけ座ってみよっか」
- 「宿題の“やりやすい順”に並べてみよう」
- 「ワークを開くだけでOK。そこから考えよう」
- 「今日はどの教科がラク?」
- 「10分やったら自由時間タイム作ろう」
- 「まずは“やる場所”決めようか」
- 「終わったら何が一番嬉しい?」
- 「先に計算だけ片づけちゃう?」
- 「始める時間を○時にしようか」
- 「やるページに付箋貼ってみよ」
- 「一番短く終わる宿題はどれ?」
- 「今日は気分どう?軽めでいく?」
- 「終わった自分を想像できる?」
- 「やりたくない日は“1ページだけ”でOK」
- 「ワークとプリント、どっちの気分?」
- 「教科書の写真だけ撮って始めよっか」
- 「今日は“手を動かす系”と“頭使う系”どっちから?」
- 「終わりの時間だけ決めよっか」
- 「宿題、3つの山に分けるよ(簡単/普通/時間かかりそう)」
- 「机の上リセットしよう。そこからスタート」
- 「まず深呼吸だけ一緒にしよう」
- 「できる量だけ一緒に決めよっか」
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②【学習中】“集中を切らさない声かけ”20個
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- 「いいペースだよ」
- 「そこまで考えたのえらいね」
- 「あと1問いけそう?」
- 「ちょっと区切りついたら声かけてね」
- 「考え方、口で言ってみる?」
- 「ここまでは順調だね」
- 「疲れたら手を止めて深呼吸ね」
- 「どこで止まってる?そこから一緒に整理しよう」
- 「今やってるページ、あと何分で終わりそう?」
- 「字、めっちゃ読みやすいよ」
- 「計算プロセスがきれいだね」
- 「なるほど、その考え方いいね」
- 「ここまで進んでるのすごいよ」
- 「1回立ってストレッチしよっか」
- 「あと1行書ければ完成だよ」
- 「その考え方、もう少し言語化できる?」
- 「ちょっとだけヒント欲しい?」
- 「わからないところだけ丸つけとこう」
- 「自分で気づけたのが最高」
- 「いい姿勢でやれてるよ」
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③【終了後】“次につながるほめ方”20個
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- 「自分で始めたのがすごい」
- 「続けた自分を誇っていいよ」
- 「今日の一番の成長はどこだった?」
- 「ちゃんと考え抜いたね」
- 「姿勢が良かったよ」
- 「わからない問題に向き合えたのが素晴らしい」
- 「集中できた理由、何だったと思う?」
- 「今日のやり方で明日もいけそう?」
- 「自分で切り替えた瞬間あったよね」
- 「終わった後の顔がいいね!」
- 「次はどこを伸ばしたい?」
- 「ノート、めっちゃ読みやすい」
- 「丁寧な字で書いたね、すごい」
- 「計算過程がきれいで感動した」
- 「苦手な問題も逃げなかったね」
- 「やり切る姿、完全に高学年のプロ」
- 「次の目標はどうする?」
- 「今日の成功ポイントを1つだけ思い出して」
- 「昨日より確実に成長してるよ」
- 「自分で選んで動いたのが本当に偉い」
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④【疲れている日】“無理させない声かけ”10個
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- 「今日は5分で切ろうか」
- 「疲れてるね、軽めの問題だけにしよう」
- 「明日に回してもいいよ。どこまで終わらせたい?」
- 「ワーク開くだけでOK」
- 「10分やるか、明日10分足すか、どっち?」
- 「今日は“書く系”やめようか」
- 「簡単なとこだけ触っとく?」
- 「時間より質でいこう。1問だけ」
- 「まず気持ち整えよう。お茶入れるね」
- 「やる気ゼロの日も普通だよ。どうする?」
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⑤【タイプ別】“男子・女子・ADHD傾向”15個
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▼男子向け
81. 「どっちが先に終わるか競争する?」
82. 「これ終わったら○○タイムね!」
83. 「まずは勝てるところからいこう」
84. 「ここだけ“瞬発力”で片づけちゃう?」
85. 「今日のミッションは1個だけね」
▼女子向け
86. 「どれを“キレイに仕上げる”?」
87. 「今日はどの色ペンで始める?」
88. 「今の考え方、すごく筋が通ってるね」
89. 「丁寧にやるか、スピード勝負か、選んでいいよ」
90. 「終わったら一緒に振り返ろっか」
▼勉強が難しい子向け
91. 「まず1分だけ座ろう」
92. 「ワークを開くのを手伝っていい?」
93. 「10分の中で“できたこと”だけ見つけよう」
94. 「タイマー使う?それとも親が声で区切る?」
95. 「できた分だけでOKにしようね」
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⑥【科目別】“教科ごとの入りやすい声かけ”10個
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▼算数
96. 「1問だけ“ウォーミングアップ問題”いこう」
97. 「図を書くだけでOK。そこから考えよう」
▼国語
98. 「まず音読1分だけしよっか」
99. 「文章の“題名”から想像してみて?」
▼英語
100. 「1回だけ声に出してみる?」
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