子どもへ声をかけるとき、だれもが無意識のうちに発してしまう言葉があります。
そしてその「たった一言」のせいで、
やる気・自己肯定感・問題解決能力・挑戦意欲 が長期的に低下してしまうケースを、学校現場では山ほど見てきました。
本記事では、NGワードの何がダメなのかを、
教育心理学・脳の働き・発達段階 をもとに“専門的に”解き明かしつつ、
誰でもすぐ実践できる“正しい声かけ”に変換していきます。
■ NGワード① 「なんでこんなミスしたの?」
▼ 子どもの脳の中で起きていること
この言葉が刺さるのは、
「理由を言語化する力がまだ育ち切っていない」
という発達の特性を無視しているから。
特に小学生は、
- 課題の分析力が未成熟
- 因果関係の言語化が弱い
- 体験したことを“抽象化”して説明するのが苦手
という段階にいます。
そこへ「なんで?」と詰問されると、脳は
“自己防衛モード(防衛反応)” に切り替わり、前頭前皮質(思考する脳)の働きが弱まります。
つまり、
- 原因を考える
- 解決策を探す
- 反省を言語化する
といった“学びにつながるプロセス”が発動しません。
学校でもよく見られますが、
「なんで?」を連打されると、子どもは
- 黙り込む
- 「わかんない」と言う
- 泣く
- 逆ギレする
という反応を示します。
これは“反抗”ではなく、“脳が処理しきれない”だけです。
▼ 心に残るダメージの正体
この言葉が積み重なると、
- 失敗=怒られる
- ミス=人格否定される
- どうせ自分はダメなんだ
と意味付けされ、挑戦意欲が大幅に低下します。
“ミスしたら学べる”のではなく
“ミスしたら傷つく”になってしまうのです。
▼ 正しい置き換え方
ミスの分析は、
「事実の確認 → 状況整理 → 次の一手を考える」
の順番がもっとも効果的です。
置き換え例
- 「ここでつまずいたね。どこが難しかった?」
- 「一緒に原因を探そっか」
- 「“次どうする?”を考えてみよう」
- 「できた部分はどこかな?」
ポイントは “原因” ではなく “次どうするか” にフォーカスを当てること。
子どもの脳は、
“未来予測の会話”に変わった瞬間、急に動き出します。
■ NGワード② 「中学生になったら困るよ」

▼ 子どもは未来の想像が苦手
大人にとっては
「先のことを見据えて言ってるだけ」
でも、子どもにとっては
“遠すぎる未来の不安を突然渡される”
状態。
発達心理学では、
“遠い未来をリアルに想像する力”は小学生にはまだ弱く、
言われたところで
- 「へぇ…(よくわからん)」
- 「なんか怒られた」
- 「大変なんだろうな…(でもピンとこない)」
という曖昧な感覚しか残りません。
さらに、小学生高学年になるほど、
「できてない自分=失敗した未来が確定した自分」
と結びつけ、漠然とした不安だけが蓄積します。
▼ この言葉が生む長期的な影響
学校現場でもよくありますが、
“未来を使った脅し”は、
- 行動が遅くなる
- 挑戦を避ける
- ミスを過度に恐れる
- 自己肯定感の低下
- 「どうせできない」という諦め癖
を生みます。
つまり逆効果。
▼ 正しい置き換え方
未来の話をするときの鉄則は
「近い未来」+「具体的」+「自分がコントロールできること」
の3点。
置き換え例
- 「明日どうするとスムーズかな?」
- 「次の休み時間までにどれからやる?」
- 「この後の10分だけ一緒にやる?」
- 「今できる一歩はどれだろう?」
未来を“近く・小さく・具体的”にすると、
子どもの脳は安心し、自然に前へ動きやすくなります。
■ NGワード③ 「〇〇ちゃんはできてるよ」
▼ 比較は“最も深い心の傷”を作る
比較の声かけが危険なのは、
子どもがこの言葉を “能力の序列化” として受け取るからです。
学校で一番多い相談内容のひとつが、
「だれかと比べられて苦しかった」
です。
比較されると、
- 自分は劣っている
- 自分は愛されていない
- 自分には価値がない
と受け取ってしまい、
自己肯定感に深刻なダメージが入ります。
低学年は“その場のショック”で済むこともありますが、
高学年になるほど意味付けが深くなり、
親子関係まで変質していきます。
▼ 脳科学的にも逆効果
比較されると、脳の「扁桃体(不安・恐怖の部位)」が強く反応し、
安全感が奪われます。
安全感が弱まると
- 学習効率が落ちる
- 挑戦が怖くなる
- 落ち着きがなくなる
- ミスが増える
と、完全に逆効果。
励ましのつもりが、脳には“危険信号”として届いてしまうのです。
▼ 正しい置き換え方
比較の代わりに使うべきは、
「前の自分との比較」
「できた部分の抽出」
「プロセスの言語化」
の3つ。
置き換え例
- 「昨日よりこの部分が早くできたね」
- 「ここまで自分でできてるよ」
- 「なるほど、そう考えたんだね。いいね」
- 「さっきより集中力続いたね」
子どもは、“自分の変化”に気づいたときに最も伸びます。
■ まとめ 親のNGワードで不安を感じさせないようにする
NGワードに共通するのは、
“不安を感じる言葉” だということ。
子どもの脳は、不安が高まると
「行動・思考・挑戦」の力が止まってしまいます。
逆に言えば、
安心感 × 具体性 × 小さな成功体験
をセットにした声かけは、
どんな子の心もスッと動かしますよ。
私たち大人もこれらのNGワード言われたらきっと傷つくはず。
それは子ども達にしたら、さらに心に突き刺さって傷になるはず。
NGワードを言いたくなる気持ちも分かりますが、そこはグッとこらえて
「今言おうとしていることはNGワードでは…?」
といったん立ち止まってみてください。
子どもと一緒に成長しましょう!
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